『ねこのミルとねずみのチムニー』がいよいよ発売となりました!クラシックな外国の絵本を思わせるやさしい水彩のタッチ。そして、愛らしいねことねずみの表紙。みなさん、ご覧になっていただけましたでしょうか?今日は、シリーズ第1弾の新刊発売を記念して、作者のおふたりにインタビューをしました。どうぞ、ミルとチムニーのワールドをのぞいてみてくださいね!
――『ねこのミルとねずみのチムニー』は、どのようにしてできたのでしょうか?
原さん 構想は、さかのぼること5年ほど前。よそにはない、トムとジェリーを、アーノルド・ローベルさんの「がまくんとかえるくん」っぽく、森山さんのタッチでやったら面白いと思ったのね。最初は、ショートショートの16P×4話のオムニバスを考えていたんだけど、だんだん絵本のめくりを意識して構成を変えて、最終的に32Pになった。チムニーが、ミルのからだをバラバラにしちゃうのさ!っていうところからは、一気に出来てきたね。外と内の違いをはっきり出すページ割ができて、家の中からの声は、ふきだしを使うと効果的なんじゃないかってね。テンポのよい外と内のやりとりはこの絵本のみどころだね。
――家の図面もあるとお聞きしました。
原さん そう。家と木の関係から、部屋の中までね。絵本は、監督、出演、演出、全てできるから面白いね。
――また、主人公のかわいいミルとチムニーについてもお聞かせください。
森山さん ミルは、生まれて間もない、まだブルーグレーの目をしたこねこの時期を意識しています。赤ちゃんぽさを出すために、耳を大きく描いたり。背中のお魚マークがトレードマークです。チムニーは、前髪のカールがポイント。どんぐりの帽子をかぶっているんですよ。
原さん 僕が帽子が好きなんだよね。ミルも最初は帽子をかぶっていたんだけど、大きな耳があるから、やめたんだ。
――雑誌の取材の立ち会いで、実際に森山さんが描いているところを見せていただきました! 見えないくらい淡い色を何度も何度も重ねていくのですね。
森山さん ふわふわした感じを出すために、毛を一本一本描く気持ちですね。ねことねずみの縮尺や、背景との関係にもこだわって描いているんですよ。
原さん あまえんぼうだけど体は大きなミルをなぐさめる、小さいチムニーの対比とかね。
森山さん また、今回は見返しの草花の中に、蟻や虫や、かえるなど、ちょっとした隠れキャラを登場させました。探してみてくださいね!
――すでに次作も進んでいるようです。ずばり、どんなお話なのでしょうか?
原さん 今回は、家の外と内ということをやったけど、次は行程(ルート)だね。道のりの動きを、まためくりで楽しんでもらえるように考えていますよ。
――さてさてどんな絵本にになるのでしょうか。楽しみです。原さん、森山さん、本当にありがとうございました!
おふたりとも、大のねこ好きで、原さんは、ねこ4匹(犬も3匹)、森山さんは、ねこ2匹と暮らしていらっしゃいます! この日、森山さんのアクセサリーもねこだったんですよ! ねこのお話から、作品のお話まで、作者の方から直接エピソードを聞くのは、とても面白くて、時間があっという間にたってしまいました。すべてをお届けできないのは残念ですが、森山さんが実際に絵を描いている様子が、『ねこ 秋号』(ネコ・パブリッシングより10月13日発売)に掲載されます。
そして、編集者からの裏話が絵本ナビサイトのブログで掲載中です。こちらもあわせて、ご覧ください。そして、ぜひぜひ、絵本を手にとって楽しんでくださいね!