ふと鉄三がおりてくることがある。それは本当に突然で、道を歩いているときだったり、ご飯の準備をしているときだったり。鉄三はわたしが人生で初めて飼った猫。6年前に亡くなった。思い出すきっかけみたいなものが全然なくても、不意に心の中を走り抜けていったり、目の前に座っていたりする。家の中でも「鉄三〜」と呼んでしまうこともある。そういう時、きっと来てるんだろう、と思う。
約10年前、大阪から東京に鉄三と出てきて、アルバイトしながら絵を描いて展覧会をする日々だった。地方での展示もあるので家をあけることも多かった。そんな中、鉄三が病気になってしまった。一日2回、薬の投与が必要だったので、出張にも連れていかないといけなくなった。実家に預けたり色々したけれど、移動は鉄三の負担にもなるし、なるべく自宅にいれるようにしたいと思った。というわけで、その当時付き合っていた人に、鉄三のことを一緒に見てほしいので、同棲してください、とお願いした。その後10ヶ月ほど闘病をして鉄三は亡くなった。
3月23日は鉄三の誕生日。そしてわたしたち夫婦の結婚記念日でもある。わたしと夫との縁は鉄三が繋いでくれたのだと思って、亡くなった後だったけど、鉄三の誕生日に籍を入れたいと思った。鉄三が生きていれば14歳だったのかぁ。まだまだ一緒に暮らしていても不思議じゃない年齢。そう思うと悲しいけれど、今日また思い出したということは、きっと来ているんだな。そういや最近肩こりがひどい。8kgもあった鉄三が乗っかってるのかな。だったら肩こりも悪くないな。
約10年前、大阪から東京に鉄三と出てきて、アルバイトしながら絵を描いて展覧会をする日々だった。地方での展示もあるので家をあけることも多かった。そんな中、鉄三が病気になってしまった。一日2回、薬の投与が必要だったので、出張にも連れていかないといけなくなった。実家に預けたり色々したけれど、移動は鉄三の負担にもなるし、なるべく自宅にいれるようにしたいと思った。というわけで、その当時付き合っていた人に、鉄三のことを一緒に見てほしいので、同棲してください、とお願いした。その後10ヶ月ほど闘病をして鉄三は亡くなった。
3月23日は鉄三の誕生日。そしてわたしたち夫婦の結婚記念日でもある。わたしと夫との縁は鉄三が繋いでくれたのだと思って、亡くなった後だったけど、鉄三の誕生日に籍を入れたいと思った。鉄三が生きていれば14歳だったのかぁ。まだまだ一緒に暮らしていても不思議じゃない年齢。そう思うと悲しいけれど、今日また思い出したということは、きっと来ているんだな。そういや最近肩こりがひどい。8kgもあった鉄三が乗っかってるのかな。だったら肩こりも悪くないな。